開催概要

研究種別: RIMS共同研究
研究題目: 電子回路設計と力学系
研究期間: 平成27年9月14日(月)午後〜平成27年9月16日(水)午後(3日間)
場  所: 数理解析研究所110号室

開催趣旨

 CTスキャン,脳血管や心臓のMRIなどの医療用画像をはじめとしてディジタル信号の高精細化が求められる分野は数多くある.広帯域信号を精密にアナログ/デジタル (AD) 変換するには高速な標本化とビット分解能が必要である.しかし,従来の2 進展開に基づくパルス符号変調(PCM) は出力の 0,1 の判定のための閾値電圧の揺らぎに弱く,高分解能化の障壁となっている.

 米プリンストン大の Daubechies らが提案したβ変換器は,必ずしも整数とは限らない実数βを基数とするβ進展開に基礎を置き,冗長性のある符号化を行うことで,揺らぎに対するロバスト性と指数オーダーの量子化誤差を達成する.β変換器は,従来の2大方式 PCM とΔΣ変調を上回る潜在能力を秘めている.現在,電子回路実装の研究および実験が進んでおり,低消費電力,小面積の点で優れることが実証されつつある.

 β変換器の研究を深化させるため,本セミナーを以下の趣旨のもとに行う.

  1. β変換器に関する,専門外の数学者・工学者向けの入門的な講義を行い,これまでの研究状況を整理する.
  2. 実際に研究を進めているグループの最新の研究状況の報告を行う.
  3. これらを踏まえた上で今後の数学的,工学的課題をまとめ,今後の研究展望を得る.

お問い合わせ先

九州大学大学院システム情報科学研究院
情報学部門 實松 豊

メール:jitumatu(at)inf.kyushu-u.ac.jp